公的年金等の源泉徴収と確定申告不要制度についての違和感

本日、はじめて税務署からの要請による確定申告無料相談会に行ってまいりました。

その際に起きた事例についてご紹介いたします。

 

公的年金等の源泉徴収についてです。

その方は、年金が約280万円ありました。通常であれば、源泉徴収されるべき金額があるところ、ゼロ円となっていました。

私は源泉徴収がゼロであれば、確定申告が必要であろうと考えておりました。

ただし、次のような考え方があります。

 

<公的年金等に係る確定申告不要制度>

平成23年分以後は、その年において公的年金等に係る雑所得を有する居住者で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には確定申告の必要はありません。

※ただし、住民税の申告は必要となる可能性があります。

 

はて?

なぜ280万円以上なのに源泉徴収がゼロなのだろうか、、、よくよく話を聞いてみると孫と同居しており、扶養にしているとのことでした。これが原因でした。

実は、公的年金等の源泉徴収の対象となる方については、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書という書類が年金機構から送付されます。例えば令和5年分の年金の支払額を決める際には、令和4年の後半に送付されるようです。

この書類に扶養親族などの記載をすれば、令和5年中の公的年金等から源泉徴収される税額が小さくなります。この影響で、今回は源泉徴収税額がゼロとなっていたのです。

 

さて、一方で所得税の扶養控除の要件は、その年の12月31日で判断します。令和5年12月31日です。

公的年金の源泉徴収の計算は令和4年の後半で判断し、所得税の扶養控除は令和5年12月31日で判断する。

これ、1年ズレてますよね。

この間に扶養者が異なればどうなりますでしょうか。

 

このズレによって何が起こるかといえば、公的年金等の収入金額が400万円以下である方は申告不要になる。。。

本来は年金収入が280万円で扶養者がゼロであれば所得税は発生するはずなのに、申告不要となります。。。

国税庁のイータックスではここまで対応していないようですので、申告不要となります。。。

これが通ってしまうのが現在の実務のようです。。。

 

以上です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

トップへ戻る